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まさか20代で自分が死を意識するようになるとは全く思っていなかったんですが、きっとあなたも現在は死のことなど考えたことはないと思います。それまでの私は、普通に仕事をして、借金もなく休日は楽しみのサーフィンやスノボー、友達との飲み会、旅行などごく普通のサラリーマンだったんですよ。何か面白いことしたい、このまま普通のサラリーマンだと面白くない、当たり前のように何も変わらない毎日を勝手に想像して、その当たり前の毎日をつまらないとさえ思っていたんですね。しかし、人生は突然変わるもので、ある時から微熱が出始めたんですよ。2週間経っても熱が下がらず、さらに1ヶ月後は下がるどころか、ずっと38度以上の熱が続いたんですよね。勿論、病院にも何度も通い、精密検査を受け、原因と考えられる病気の治療も受けたんですが、この時、私は医者の診断内容と自分の症状とのズレに疑問を持って、セカンドオピニオンで別の病院にも行ったんですよ。頸部のリンパ節が腫大して、大量の寝汗、発熱が発生して、やがて死に至る病気で、簡単に言うと血液のガンと診断されてしまいました。国は制度を守るものであり、個人を守ってはくれず、会社は利益を守るものであり、社員を守ってはくれない、私は素直にそう感じていたんですよ。もしもあの時、医者に再検査をするように何度も直談判していなければ、発見はさらに遅れ手遅れになるところだったんですよ。半年後には、私はもうこの世には存在していなかったかもしれません。今までの病気とは違う、得も言われぬ症状に対して、不安感や恐怖感を感じて、症状を記録してネットであらゆる情報を調べて最悪のシナリオまでも想定できたんですよ。自分のことに無知であり、任せたままであればおそらく私は今ここにいなかったでしょう。家族の経済状況と治療効果を考えるとこの話は苦渋の選択でしたが、どうやらこの治療を受ける多くの方は、社長や実業家の方が大半で、ここの医者からはよくこの治療法を見つけられたねと言われるほど当時は表には出ない治療法だったんですよ。私は健康保険の対象になる通常の病院での治療を行ったんですが、それでもお金には本当に苦労しましたね。医療保険は２社入っていたんですが、私の契約内容は退院後にお金が支払われるため、一番必要な時には役に立たず、会社からは病欠でおよそ1ヶ月強ほどの給料を払ってもらいましたが、それ以降は、給与は支払われることはありませんでした。